技術情報

ハイサイクル

概要

樹脂およびダイカストのハイサイクル成形に貢献するベリリウム銅

上:ベリリウム銅の冷却時間に関するデータ、下:実験に使用した鋼材(S50C)とベリリウム銅(ULTRA)

高硬度かつ鋼材の3〜7倍の熱伝導性を有するベリリウム銅は、高い抜熱性による成形サイクルタイムの短縮や、均一冷却による成形品の品質向上に貢献します。

成形品の品質向上

脱型温度まで短時間で冷却することにより、成形品のひずみを低減し、ヒケ防止に効果を発揮します。

また、厚肉・リブ・先端部など、蓄熱しやすい部位にベリリウム銅合金の冷却入れ子やピンを使うことで、温度差を解消することができ、安定した成形を実現します。

均熱性が高くなることで、特に平板、長物においてネジレを防ぐ効果が高くなります(H&C金型としても効果を発揮します)。

寸法変形の比較

同一形状の成形品における寸法変形の比較

同一形状の成形品において、寸法変形の比較をしたところ、鋼材(S50C)に比べ、ベリリウム銅の変形量は8mm→4mmと半減していました。

ベリリウム銅使用の有効性を事前に評価

CAE解析は、設計段階でシミュレーションを行うことが可能なので、ベリリウム銅使用の有効性を事前に評価できます。
以下は仮想モデルでの解析例になります。

CAE解析

事前の解析でホットスポットの有無が解り、ベリリウム銅導入の有効性が予め確認できます。

所有ソフト

現在CAE解析に使用しているソフトウェアは、下記の2点です。

  • 樹脂の射出成形金型向け:3D Timon【東レエンジニアリング(株)】
  • アルミのダイキャスト成形用金型向け:JS CAST【クオリカ(株)】

以下は、『3D Timon』を用いた「樹脂成形 充填時間」の解析例。
パラメーター:金型材質の熱伝導率、射出成形機の射出速度、溶融樹脂の粘度など。

3D Timon画面
「樹脂成形 充填時間」の解析例

解析サービスの特徴

提供頂いた3Dデータ、成形条件で解析を行い、結果に基づいた設計のご提案から、各種製作物のご提供まで行います。
また、お客さまとともに、実際の成形時の結果確認と検証も行います。

サービス例

熱解析での導入事例

凝固しにくいところ(ホットスポット)へ製作したベリリウム銅合金の入れ子を導入し、均一冷却で品質向上とサイクルタイム短縮を実現。

独自コーティングで寿命向上

皮膜剥離評価(vs GRP30)

近年は耐摩耗が要求されるガラス入りエンプラ等の樹脂成形にも使用されています。

通常のメッキ、皮膜も可能ですが、より長寿命をお求めであれば、NGK独自技術であるNGK-DGコートをお試しください。

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